SHARPのCDラジカセ、QT-64CDです。
1988年発売。定価54,100円(税別)。
シャープの「6」番台、グレード的にはアッパーミドルクラスのCDラジカセです。
バブルラジカセに興味を持った時、ネットで見かけてカッコいい!と思った1台。
操作キーは上面に集まっています。
この辺は同時期のパナソニックと同じような配置ですね。
ファンクション切り替えや電源もスライドスイッチ式です。
リモコンが付属していたようですが、出来ることは限られそう。
チューナーはバリコン式ながらV/U音多対応と豪華。
ボリュームツマミの傷は入手時からのものです。
音質調整はトーンコントロールとBASS BOOSTのみ。
無理にグライコとかを搭載しなくてもこれで十分。
特別名称が無いため「CD」と書いてあるだけのトップローディング。
気合いの入った「DIGITAL」ロゴが80年代機を象徴しています。全体的にフォントがパナソニック機と似ているような。
CDディスプレイ。
シンプルなものですが、ミュージックカレンダーを表示します。
大きな「XE」ロゴはEXTRA EDITING SYSTEMの略で、カセットテープに録音する際のプログラム的な機能です。
カセットデッキはシングルに見せかけて、ツインカムWカセット。
大人しいデザインですが、こういう飛び道具を備えているのがシャープクオリティ。
フルロジック、ツインリバース、オートセレクターでメタルは再生までっぽいです。ドルビー無し。
もう片方のデッキと思わせてタイマーになってます。
タイマー電源は単三電池1本が必要。ヘッドホン端子もここにあります。
スピーカーはフルレンジ+サブウーファー。
下部のダクトからウーファーの低音が放出されます。
後のデジターボと同じような構成で、重低音の迫力はかなりのもの。
後ろ姿。
外部端子はCD OUTのみ。
LINE INが無いのが残念。このクラスならあって当然でしょう。
銘板。MADE IN JAPAN。
ラジオやTVの周波数範囲が表記されている点がシャープですね。
シャープではCDラジカセを「コンパクトディスク ステレオダブルカセット」と呼びます。
台座に乗っかっているようなサイドビュー。
シンプルでプレーンなデザインが特徴の64CD、横から見ても凝ってます。
個人的にグッドデザイン賞をあげたい。
1988年というとコテコテしたラジカセが多かったですが、一線を画すスマートなフォルム。
直線基調ながらも上手く丸みを取り入れたデザイン。
スペアナ表示やレベルメーターなど華やかさを演出する機能が無いのが功を奏している。
音質も見た目同様に大人しいのかと言うと全然違います。
サブウーファー搭載で、こう見えて重低音はかなりのものです。
また、フルレンジスピーカーの性能もよくウーファーに負けない中高音を鳴らします。
ウーファー任せでフルレンジが貧弱なラジカセもありますから、こういうとこが重要なのです。
あくまでフルレンジスピーカーが主役で、サブウーファーは低音を肉付けして全体のバランスを取るもの。
何となくですが、後の「デジターボ」の基になったのが64CDなのかなと思いました。
サブウーファーユニットが寿命を迎えている個体が多いと思われるので、エッジ張り替えや交換が必須になってくるでしょう。
この64CDも入手時にテストしていると低音が変になり寿命を迎えました。
そのためFOSTEXの「PW80K」に交換してあります。
あまり見かけない機種なので、当時はあまり売れなかったのかも知れません。
1988年というと各社ライバルが多すぎるのもありますが。
バブルラジカセを何十台と買ってきた者としても、この64CDは総合評価で上位に入るラジカセです。
デザインと音の両立、これは隠れた名機かと。大きさも後の「デジターボ」よりやや小柄なのもグッド。