パナソニックのCDラジカセ、RX-DS55です。
1990年頃発売。定価39,800円?
同じ筐体を持つ姉妹機のRX-DS45も同時に取り扱います。
シングルカセットながら7シリーズに匹敵する内容を持ちます。
低く構えたワイドなカッコいいフォルムでずっと欲しかった機種でもあります。
DT99/DT77といった初代コブラトップと同世代でもある、
CDラジカセのデザインが一気に変わったのが90年モデルだと思ってます。
これはシングルカセット機でコブラトップといった意匠は与えられていませんが、
本体から操作キーを排し、ウネウネした近未来的フォルムでまとめています。
エアロ・ダイナミクスなスタイルですね。
先代のRX-DT一桁世代と1年しか違わないのが驚き。
CDトップローディングなのは先代と同じですが、ここまで仕上げてきます。
ディスプレイはシンプルものですが、右端にレベルメーターが付いています。
これも当時のラインナップとしては異例で、上位のDT7系にも搭載されません。
シングルカセット機だからこそ許された冒険なのでしょうか。
1セグメントですが、ピークホールド付きで見ていて楽しいですね。
シングルカセットデッキ。
録再リバース、ドルビーB NR、メタル録音とフルスペックなデッキです。
単純にDT7系から再生デッキを削除したような内容です。
上部のフタを開けてみます。
右側に操作キーが隠れています。左はCDプレイヤー。
CDプレイヤーの動作音からして、トラバースメカは先代のDT7世代のメカを使用していると思われます。
DT77世代以降から動作音が静かになりますが、先代までの独特なメカ音がします。
操作キーもシートキーとなっていて、これもDS55/45だけの装備。
シートキーというと劣化が心配ですが、これは新品のような状態を保っています。
DS55では英語表記、DS45では日本語表記になります。
上部に左右バランス、S-XBS、TONEレバーが並びます。
フタを閉じても顔を出しているボリュームツマミはモータードライブ式。
自慢のBi-AMP 4DRIVE方式となっていて、上級機と遜色ない音質。
しっかりとした2wayユニットにバスレフ構造とDT7系と同等のスピーカーです。
あ、これはDS45の画像のようです。
後ろ姿も素晴らしい。これぞ究極のエアロフォルム。
Panasonicロゴ入り電池フタはもちろん、後ろ姿にも拘ってます。
内容だけだとDT7シリーズに匹敵するDS55/45ですが、CD OUTは省略されAUX INのみが装備されます。
その辺で差別化しないと定価の差が埋まらないのでしょうか。
ただ、DT55以降の5シリーズのようにCD OUTのみにしなかったのが有能。
今までRX-DS55をメインに紹介してきましたが、ここで姉妹機のRX-DS45も見ていきます。
こちらは常設しているためこのような感じです。ちょっと埃被ってる・・・
発売時期は同時期?と思われ、機能や音質など内容は全く同一です。
細かな違いを見ていこうと思います。
1、ボディーカラー。
手前DS55、奥DS45。
DS55はグレー系、DS45はブラック系のカラーとなります。
2、先ほど触れましたが、操作キーの表記が異なります。
DS55。
DS45。
反射して見ずらいですが、DS45はフレンドリーな日本語表記になります。
操作系繋がりでビープ音の音色が若干違います。
DS55が高め、DS45が低めの音色です。経年劣化や個体差かも知れませんが。
3、電源コードの差し込み形状が違います。
「DS45」はDT77世代以降で主流のメガネ型、「DS55」は89年モデル、DT7世代で主流の小判型となってます。
パナソニックのバブルラジカセを複数持っている方はご存知かと思いますが、
1990年モデルを境に差し込み形状が異なるため、電源コードは2種類必要となります。
稀に古いラジカセで角型がありますが、小判型と互換性があります。(サンヨーのWCD850等。)
ソニーは年代に関係なく小判型が大半な気がします。
銘板。
消費電力30W、日本製。
運よく「45」と「55」の2台ゲット出来ました。
定価は控えめな39,800円ですが、内容を見るとかなりお買い得なモデルです。
メタル録音、Bi-AMP 4DRIVEと上位の7シリーズとほぼ同じ内容でシングルカセットになっただけです。
音質もハイレベルで、兄貴分の「DT99」比べても遜色無い音質と思います。
一番近い内容の「DT77」は所有したことが無いので不明ですが、似たような音質であると予想します。
低音寄りで柔らかめな音色なので、トーンを上げ目にするのが好み。S-XBSもしっかり効きます。
世代的には90年登場のDT99、DT77、DT55と同期ですが、所々で1世代前の設計が見受けられました。
恐らくそういった旧世代の部品を組み合わせることで定価を抑えることが出来たのでしょう。
それが気にならなければ、コストパフォーマンス最強な名機と言えそうです。
個人的意見ですが、それ以降のDSシリーズはどこか妥協したような作りになり、
以前紹介した後継機「DS303」のように肝心の音がショボかったりします。
バックライトの色が変わるのは面白いですが、製品としてのクオリティは「DS55/45」ですね。
定価は同等ですが、音質が全くの別物です。メタル録音やドルビーNRも削除されました。AUX INも。
DS303が悪いという訳ではなくて、目指す方向性が変わったのかと思います。
DT7シリーズの多機能、高音質をそのままに、
エアロフォルムなシングルカセットにしたのがこの「DS55/45」でしょう。
膨大なラインナップの中に埋もれてしまっているシングルカセット機ですが、こういう実力機もあります。
どうにも不人気のようですが、魅力にあふれる1台です。