ソニーのセパレートラジカセ、CFS-W600です。
1984年発売、定価49,800円。
当時のソニー製Wラジカセには「Wキッド」の名称が与えられていました。
センター部。スクエアーなボディに各機能がスッキリまとまっています。
音量+5バンドグライコ+バランスのレバー構成。これがあるとグレードが感じられますね。
グライコ録音というのは珍しい機能です。安いテープだと威力を発揮するのか。
大判の「It's a Sony」シールが素晴らしい!
右側はチューナー。TV SOUND・・・
SONYロゴの下のコロコロでチューニングします。当時のコンポに多かったスタイルです。
TVはVHFまで対応ですが、2018年現在では機能しません。逆に言うとワイドFM対応ですね。
カセットデッキはオートテープセレクターで検出スイッチの箇所からメタル録音まで対応と思われます。
リバース、ドルビー無しのガチャメカ式ですが、AMS搭載と充実してます。後継の「W660」ではオートリバースが搭載されたそう。
デッキ間には80年代機で定番のオペレーションランプも。ああ俺が映っとるw
「Metal」が誇らしいですね。当時のソニー製メタルテープは「METALLIC」ですかね。
HIGH SPEED AND HIGH QUALITY DUBBING SYSTEMの表記は「CFS-W30」にもありました。
Wキッドシリーズにはみんな書いてあるのかな?
斜体な「D・O・U・B・L・E」も80年代ソニー機のお約束。
CDラジカセの普及と共に消えました。
3連スイッチはダビングモードで、片面定速、片面倍速、両面倍速と並んでいます。
スピーカー。10cmウーファー+3cmツイーターの構成。
アンプ部の最大出力は5W+5Wとおしゃれなテレコ系よりもハイパワー。
独立したBOXを持っているため、普通のラジカセよりも定位感が良いですね。
SONY 2WAY SPEAKER CFS-W600。こういう表記がたまらないですね。
上面を見るとフラットなスペースが広がってます。
取っ手とロッドアンテナが付いていることからラジカセと言えます。
裏側。スピーカーは分離可能でケーブルも格納出来そうです。
電池で使うには単一電池が6本必要。
スピーカーターミナルは一般的なバネ式なのでスピーカーの交換も簡単。
デジタル時代に備えたCD/LINE IN。端子が赤白でないのがシブいですね。
ラジカセとしては珍しいサービスコンセントは上記のCDP用として用意されているのかな。
消費電力23W。MADE IN JAPAN。
ラジオの周波数範囲も書いてあるんですね。
80年代半ばのソニーが集まりました。
CFS-W30、CFS-W600、ICR-S8。どれも今見ても褪せないIt's a Sony達です。
この世代の製品はみんな直線的で角ばっていました。クルマで例えると日産のトラッドサニーがいい例ですね。
89年頃から一気に丸くなっていったのはデザインの変遷というか、時代が一気に変わったということでしょうか。
さてCFS-W600ですが、30年以上前のラジカセとは思えない、現在でも十分に通用する音ですね。
CD/LINEからCDを聴いてもデジタルサウンドを鳴らし切っていて、気持ちよく聞けます。
バブカセの時代に入ると同社のドデカホーンを始め、各社「重低音」を競うようになりますが、
それより以前のラジカセなので重低音は弱いものの5バンドグライコで好きな音を作ることも出来ますし、スピーカー自体のポテンシャルも高いように思います。
前にも書きましたが、ラジオの感度が良いですね。AMだとダイヤルを回すと地元局以外の放送が結構入ります。
「おしゃれなテレコ」の上級生というよりも、コンパクトで持ち運びできるコンポというコンセプトなのかも知れません。
セパレートラジカセの位置づけは80年代初頭の大型ステレオラジカセの後継的なものと思っていましたが、どうなんでしょう。
最も、各社セパレートラジカセを出していましたが、おしゃれなテレコ系ほど有名ではありませんね。
AIWA DX-77と組み合わせたデジタルサウンド・スタイル。
※手元にあった同年代のミニコンサイズCDPがこれしかなかったので、アイワになりました。
やはりCDを再生すると実力を発揮するラジカセなのだと思います。初期のチャゲ&飛鳥とかがすごく合いますね。