PanasonicのCDラジカセ、RX-DS33です。
1994年発売、定価21,800円。
最低限の装備とユニークなデザインの廉価モデルです。
93年登場の「RX-DS13」の別バージョンといった感じの展開でしょうか。
中央のディスプレイはCD専用でシンプルなものが搭載されています。
バックライトはもちろん無しですが、これで十分とも言えますね。
左のファンクション切り替えがスライドスイッチ式なところからも本機はリモコン非対応です。
カセットデッキはガチャメカ式かつノーマル専用。
キューレビュー、フルオートストップ付き。
下部にあるチューナーは80年代のコンポみたいなコロコロで選局するタイプ。
ワイドFM対応ですので、現在でも十分に使い道がありますね。
当時流行りのAMステレオは非対応。
上部から。本体と両サイドにスピーカーがくっついたようなデザイン。
CDプレイヤーとカセットデッキの操作部が並びます。
ボリュームと高音のみのトーンコントロール。
年式の割にガリも無く微調整が利くダイヤル式です。
フレンドリーな日本語表記、内蔵マイクもあります。
CD OPEN。
表記はありませんが、1bit MASH DACです。
スピーカーユニットはいつものゴツくてフリーエッジなタイプではなく、
明らかにペラペラでショボいユニットになってます。本体はBOX構造でもないです。
ですが、これが意外と音がいい。それなりに大音量も出ます。
アイワやサンヨーが得意とする、「音のいい廉価機」に通ずる無理のない音質です。
パナソニックは上級機メインでこの手の安い機種を苦手とするイメージでしたが、これはいい。
後姿。面白いカタチしてますね。
通気スリットが多く、前記のようスピーカーは開放式となってます。
下半分のノッペリした部分は電池BOXのフタです。
こう見えて単一乾電池6本を飲み込みます。
端子類はヘッドホンとマイクのみ。廉価機なので拡張性は無し。
94年製。
銘板。底面にあります。
消費電力14Wと普通のCDラジカセそのものですね。
驚いたのがMade in Japanなんですね。
この頃の安いモデルはシンガポール製が多いので、これも外国製かと思ってました。
これの3~4年後には殆どがマレイシア製になるという・・・
兄弟機でCD-G対応の「RX-DS36G」と共に「オレッキー」という名称が付いています。
ブラック以外にもブルーとレッドのカラーが展開されていたようです。
どうやら左右のスピーカーは「象の耳」をイメージしたデザインのようです。
他社のように「ドデカホーン」や「CDioss」、「Primaire」等の名称すら持たないパナソニックの中でも
「オレッキー」なる名称が与えられ、遊び心のある希少なモデルですね。
機能は最低限なもので、それこそ現行のCDラジカセと大差無い内容ですが、
これがまた無理のない音質で、とても聴きやすい音がします。
上級機だとどうしても重低音やスピーカー部に重点が置かれますが、安物である本機はそういう縛りが無いためか
スピーカーユニットはペラペラでも伸び伸びと鳴っているように感じます。
ラジカセは必ずしもバスレフ方式が良いのかというとそうでもないと思うのです。
XBSも無く、当然重低音は無理ですが、普通に音楽を聴く分にはこれで十分と思える音質です。
バブルラジカセとは異なるバブル期の廉価モデルですが、これはこれで好きなジャンルですね。
使ってみると決して安っぽい訳ではないです。
サイズも非常にコンパクトですし、手軽に違う部屋に移動したり1台あると便利なCDラジカセです。